“有言実行”で日本サッカーを背負う堂安律、待望の初書籍。今、夢を追いかけているすべての人たちへ。逆境を楽しみ、自分を信じ抜く──。夢に向かって突き進む、唯一無二の“堂安語録”。 カタールW杯でドイツ・スペイン相手に劇的弾を叩き込み、日本代表の快進撃を牽引した堂安律。たとえ批判を浴びようとも、大きな壁にひるむことなく、逆境を楽しみ、常に自分を信じ続けることができるのはなぜか──。 挫折や葛藤を乗り越えて揺るぎない自信を身に付け、W杯という夢舞台で圧倒的な輝きを放つまでの軌跡を克明に記した、待望の初書籍。その一部を抜粋して公開します。W杯優勝は家族の夢。運命のメンバー発表とオカンの涙 カタールW杯のメンバー発表は早朝6時に家のリビングで見ていた。ワクワクなんていっさいなく、前日はあまりよく寝られなかった。めったにこういう緊張はしないタイプなのに。試合前にもほどよい緊張を感じるけど、そういう緊張は自分でなんとかできるから好きだ。でも、自分ではどうにもできないこういう状況は昔から苦手だった。 「いっそのこと、もう見ないでおこうかな」とも思ったけど、一生に数回あるかないかの経験だから、しっかりと自分の目で、リアルタイムで見ることにした。無事、名前が呼ばれた。年齢順の発表でなかなか名前を呼ばれなくて、ちょっとモヤモヤしたからなのか、「堂安律」の名前を聞いてほっとした。選ばれていない選手のことを考えると胸が痛かったけど、俺にとってはすごくうれしいニュースが届いた。 メンバー発表の直後から、いろんな人にたくさんメッセージをもらった。でも、すぐに話をしたのはオカンだけだった。まだメンバー発表の途中なのに、俺の名前が呼ばれた瞬間にオカンから電話がかかってきた。 「りっちゃん、ほんまにおめでとう。よかったなあ」 電話の向こうから聞こえてきたその声で、オカンの感情が伝わってきた。プロサッカー選手になってから、心の底からうれしいと感じることはたくさんあったけど、やっぱり両親に喜んでもらえることがいちばんうれしい。何度も公言しているとおり、CL(チャンピオンズリーグ)優勝は個人の夢だけど、W杯優勝は家族の夢だから。親孝行できた瞬間だった。オカンの電話をきっかけに緊張が一気にほぐれた。小さいころから憧れ続けた夢舞台、W杯。そのスタートラインに俺はようやく立った。 文章导航 セリエA王者のナポリが日本人獲得に興味とスペインメディア報道「クボをターゲット」「イタクラも選択肢の一つ」 元リバプールの2人が衝突!アトレティコU-19監督のトーレスがマドリーを率いるアルベロアを突き飛ばして退席処分に