【巨人】戸郷翔征　ルースＫ斬り「沢村伝説」の地・草薙球場で先発「目標の人に近づけるよう頑張りたい」

　憧れの大投手が躍動した地での勝利を誓った。巨人の戸郷翔征投手（２３）が、巨人の初代エース・沢村栄治氏ゆかりの静岡・草薙球場で１６日に行われるヤクルト戦で、リーグトップの５勝目を目指して先発する。「ジャイアンツの先輩でもあり偉大な大投手が投げられた伝統のある球場で投げられることを光栄に思います」と目を輝かせた。

　草薙球場は１９３４年の日米野球で沢村栄治氏がベーブ・ルースを三振に仕留めた地。日本の野球史で語り継がれるマウンドに立つことを戸郷は心待ちにしている。今季の目標に「沢村賞」を掲げており、「目標の人が投げた球場ですしね。それに近づけるように頑張りたいなと思います」と腕を鳴らした。

　今季は、長崎、新潟、そして１６日の静岡と地方球場での登板が偶然にも重なっている。「マウンドの形が初めての感覚が多いので、それを早く自分に身につけることを意識しながらやってます」と対応に努めている。そして楽しみなのはファンの声援。「１年に１回のことですし、見に来る人たちが喜んでくれることが一番」と静岡の地を沸かせることを誓った。

　１５日は、Ｇ球場でキャッチボールや短距離ダッシュで最終調整を行った後、新幹線で静岡入りした。前回登板の９日、ＤｅＮＡ戦（新潟）では１４３球、６安打２失点の完投で４勝目を挙げた右腕。「（完投は）目指せれば一番。最近、中継ぎの方もたくさん投げてくれているので、頑張らないといけないなという気持ちもありますし、いけるところまで全力でいきたい」。不滅の大投手が背負ったエースの名に恥じない投球を見せつける。（水上　智恵）

報知新聞社