「ビニシウスはサッカー選手である前に人間だ。私はプロであり人間であるビニシウスを支持する。人種差別に反対する」と書かれた横断幕を掲げる若いサッカーファン(AP)(Nikkan Sports News.)「ビニシウスはサッカー選手である前に人間だ。私はプロであり人間であるビニシウスを支持する。人種差別に反対する」と書かれた横断幕を掲げる若いサッカーファン(AP)(Nikkan Sports News.)

 スペインリーグのレアル・マドリードのアンチェロッティ監督(63)が、FWビニシウスに対する人種差別問題について「あらゆる面で(ビニシウスは)被害者だ」と擁護した。24日のラージョ戦の前日会見に出席した指揮官の言葉をスペイン紙マルカが報じた。

 前節バレンシア戦で起こったビニシウスに対する人種差別的な侮辱が大きな問題となっている。国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティーノ会長などが会見を開くまでに発展している。

 アンチェロッティ監督は「先日起こったことをみんなが懸念している。この問題についてたくさん話されるのは正しいこと。今回の件は事態を改善するための絶好の機会だ」と語った。またビニシウスについて「悲しんでいるし、今日は膝に少し違和感があったので練習を休んだ。明日は出場停止だ。そしてまた新たな議論が始まると思う」と続けた。

 スペインリーグのアウェー戦で何度も差別を受けてきたビニシウスがスペインサッカー界の被害者かと問われると、指揮官は次のように語った。

 「ビニシウスは今起こっていることの被害者だ。時々、挑発や態度で非難されることがあるが、そうではない。彼があらゆる面で被害者なのは明らかだ。私がメスタージャ(※問題のあったバレンシアのホームスタジアム)について語るのは、それは4万6000人に対してではなく、非常に悪いことを行ったグループに対してだ」

 またビニシウスが差別的な言葉を受けるのは、バレンシア戦に始まったことではないとも強調した。

 「マジョルカやバリャドリードでもそうだったが、それが日常化されている。人種差別を超えて、相手を侮辱するのが習慣になっているようだ。(バルセロナ監督の)シャビが言っていたことは模範的だったと思う。なぜサッカーでは侮辱が常態化しているのだろうか? 私は“猿”ではなく“馬鹿”と侮辱された。耐え難いことだ。ベンチの裏で“クソ野郎”などの言葉が飛び交っているのを止めるべきだ。今回の件はそれらすべてを止める絶好の機会となる。スペインは人種差別主義の国ではないが、スペインには人種差別がある。それを変えなければいけない」。

 スペインサッカー界にはびこる差別が根絶されるべきだと、力強く訴えた。

 (高橋智行通信員)

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