(写真:Getty Images)(Getty Images)(写真:Getty Images)(Getty Images)

ラ・リーガ第35節、バレンシアvsレアル・マドリーが21日にメスタージャで行われ、ホームのバレンシアが1-0で勝利した。

チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグでマンチェスター・シティに0-4のスコアで大敗し、CL連覇の夢が潰えた2位のマドリーは、14位のバレンシアとのアウェイゲームでバウンスバックの勝利を目指した。

アンチェロッティ監督はこの一戦に向けてシティ戦から先発6人を変更。ベンゼマやヴィニシウスを継続起用した一方、ルーカス・バスケスやメンディ、セバージョス、チュアメニらが起用された。

立ち上がりからボールの主導権を握ったマドリーだが、残留に向けてスタジアム全体で戦うバレンシアの高い集中力と強度の高い守備に苦戦。接触プレーを流すレフェリングの影響もあり、ヴィニシウスやベンゼマら前線の選手もなかなか自由にさせてもらえない。

以降もバレンシアペースで試合が推移していく中、要所を締める守備で0-0の状態を維持していたマドリーだったが、相手の気迫の攻めに屈する。

33分、最後尾のキュメルトからの対角フィードで左サイドのアウメイダやクライファートを起点に細かい崩しを試みたバレンシアは、ボックス左で巧みなターンからシュート性の折り返しを入れると、ファーサイドでDFメンディの背後を取ってゴール前に飛び込んだディエゴ・ロペスがスライディングシュート。これがGKクルトワの脇を抜けてゴールネットを揺らした。

敵地で先手を奪われたマドリーはすぐさま反撃を開始するが、先制点を奪ったことで集中力を増した相手の堅守を前に決定機を作れず。逆に、前半終了間際にはボックス付近でハビ・ゲラに続けて決定的な枠内シュートを打たれるが、ここは守護神のビッグセーブで事なきを得た。

結局、1点ビハインドで試合を折り返したマドリーはカマヴィンガを下げてハーフタイム明けにロドリゴを投入。ロドリゴをセカンドトップに配した[4-2-3-1]の布陣でゴールを目指す。

後半はマドリーが押し込む展開が続くが、バレンシアもクライファートやディエゴ・ロペスのスピードを生かしたカウンターから際どいシーンを作り出し、一進一退の攻防となる。

クルトワとママルダシュヴィリという両守護神の安定したパフォーマンスによって均衡が保たれたまま、試合は後半半ばへと突入。何とか押し切りたいマドリーは65分、セバージョスとアセンシオを下げてクロースとモドリッチを同時投入。前線の配球役にテコ入れを図る。

ここから試合は完全にマドリーペースに傾く中、70分過ぎにはヴィニシウスがドリブルを仕掛けた際にスタンドから投げ込まれたボールをDFキュメルトがヴィニシウス目掛けて蹴ったプレーを巡って両軍がヒートアップ。さらに、一連の流れでヴィニシウスがホームサポーターから人種差別的なチャント、あるいは人種差別行為の被害に遭い、主審とマッチオフィシャルが介入するアクシデントも発生した。

スタジアム内でのアナウンスもあって何とか再開にこぎ着けると、以降は専守防衛のバレンシアに対してマドリーがハーフコートゲームを展開。後半アディショナルタイムにはゴール前に侵入したバルベルデ、クロースの直接FKで同点ゴールに迫ったが、いずれもGKママルダシュヴィリの驚異的な連続セーブに阻まれた。

その後、素早いリスタートを阻止しようとボールを抱え込んだムサの対応を巡って両軍入り乱れる小競り合いが起きると、ウーゴ・ドゥーロにチョークスリーパーされていたヴィニシウスが振り払う際に顔面を殴打する形となり、オンフィールド・レビューの結果、ヴィニシウスにレッドカードが掲示される。

再三削られた上に人種差別の被害にも遭い、挙句の果てには退場させられる悲劇に見舞われたエル・ブランコの若きエースは、この日の不条理に皮肉の拍手と挑発的なジェスチャーと共にドレッシングルームへ下がり、その際には相手ベンチの選手と一触即発の雰囲気に。

残り数分間を10人で戦うことになったマドリーは、決死の猛攻を仕掛けたが、ベンゼマの決定機が相手守護神に阻まれるなど最後までゴールをこじ開けることはできなかった。

この結果、物議を醸す荒れ模様の名門対決を制したバレンシアが残留へ大きな勝ち点3を積み上げた。一方、敗れたマドリーは今季初の公式戦連敗となった。

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