<横浜から世界へ 下> 日本が誇るジャンパーが、生まれ変わった姿を見せる。21日に日産スタジアムで行われる「セイコーゴールデングランプリ(GGP)陸上2023横浜」(日刊スポーツ新聞社共催)には国内外のトップ選手が集結する。男子走り幅跳びに出場する21年東京五輪6位入賞の橋岡優輝(24=富士通)は、自ら「普通ではない」と話すほど助走を大転換させ、パリ五輪前年シーズンに臨む。 昨年7月の世界選手権で10位となった後、渡米。男子100メートルのサニブラウン・ハキームら、短距離界のトップレベルが集うタンブルウィードTCでスプリントを強化してきた。同時にチャレンジしたのがアプローチの大幅変更。「ダメだったらダメというだけ。その先に得るものがある」と長期的な視点で決断した。 まず踏み切り。従来は「リズムに乗せて心地よくテンポアップする」感覚だったが、今は「全力で駆け抜ける」イメージという。そして助走距離。歩数はこれまでと同じ「20歩」も「距離は6メートルほど短くなった」。この新走法で今季初戦として臨んだ4月下旬の米国での競技会は、昨年の屋外初戦を4センチ上回る8メートル11をマーク。「まだまだ全然」と目線は上にあるが、この4センチに「やっと自分のものになってきた」と手応えも感じている。 セイコーGGPでは、昨夏の世界選手権金の王嘉男(中国)と相まみえるが「自分の課題で頭がいっぱい」と己に集中。8月の世界選手権(ブダペスト)参加標準記録(8メートル25)突破を目指す。「今季は失敗を恐れず、来年へ自信が持てるシーズンにしたい」。自分の歩幅でパリへの道を進む。【藤塚大輔】(おわり) ◆橋岡優輝(はしおか・ゆうき)1999年(平11)1月23日、埼玉県さいたま市生まれ。同市・岸中から陸上を始め、八王子学園八王子高から走り幅跳びに専念。高3時に高校総体、国体、日本ジュニア選手権と3冠達成。18年世界ジュニア選手権金メダル。21年東京五輪では日本勢37年ぶりに決勝に進出し6位入賞。22年世界選手権は10位。自己ベストは8メートル36(日本歴代2位)。 文章导航 ニューカッスルの躍進に欠かせない男 ブライトン撃破で勢いに乗るチームを支えるブラジル代表MF 女子走り幅跳び 静岡雙葉高2年の橋本詩音が6メートル05の自己ベストで初優勝…昨年インターハイ優勝の記録超え