F1最高責任者のステファノ・ドメニカリが、現在圧倒的な力を誇っているレッドブルとライバルチームとの差を縮めるために、ルール変更でそれに“介入”するつもりはないと語った。 2023年F1シーズンはこれまでに5戦を消化しているが、その全てでレッドブルが勝利を飾っている。しかも、そのうち4戦でレッドブルが1-2フィニッシュを達成するという完璧とも言える強さを見せている。 F1関係者の中には、今年はレッドブル以外のチームがレースで勝利する可能性はないだろうと考えている者もいるようだ。 ■23戦全勝は想像もできないとクリスチャン・ホーナー しかし、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、こうした見方があることに対し、『Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)』に次のように語っている。 「23レースで勝利するなんて想像もできないことだと思うよ」 「23レースもあるし、信頼性への対応や、天候、戦略、それに運という要素もあるからね」 ■シーズン中の開発が進めば状況に変化も? 実際のところ、メルセデスとフェラーリもばん回を目指して今週末にイモラで開催される第6戦エミリア・ロマーニャGP(21日決勝)にはマシンを大幅にアップグレードして臨むことになっている。 「聞くところによると、メルセデスは完全に新しいマシンを用意しているようだね」 そう語ったホーナーは、次のように付け加えた。 「フェラーリもいくつかのアップデートを持ち込んでくる。今ここで起きていることによって足をすくわれるのは簡単なことだよ」 レッドブルは、2021年にバジェットキャップ(チーム予算上限)違反があったと判定されたことで、今年は風洞時間がライバルチームたちよりも大幅に減らされている。ライバルたちのシーズン中の開発がうまく進めば、レッドブルとの差が縮まってくる可能性がないわけではないだろう。 ■シーズン中のルール変更を求める声も しかし、ここまでのレッドブルの強さを見れば、メルセデスやフェラーリ、そして今季大きな飛躍を遂げたアストンマーティンがすぐに対等に戦えるようになるとは思えないというのが大方の見方だ。 このため、F1とFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)は、レギュレーションを変更することによってレッドブルとライバルチームたちの戦力差が縮まるようにするべきだという意見もあるほどだ。 ■遅かれ早かれチーム間の差は縮まってくるとドメニカリ だが、2020年からCEOとしてF1を率いているドメニカリは、こうした意見に対して次のように主張している。 「我々はチームのパフォーマンスに介入することはできない」 「私は、財務レギュレーションで行ったことにより、技術面での差を最小限に抑えることができると確信している。しかし、実のところ、レッドブルがほかのチームよりもいい仕事をしたということなんだ」 「その一方で、シーズンが終わったと言うのはばかげたことだよ」 「F1が選んだ道、すなわち、予算上限の設定や、チームにとって異なる開発の選択肢を設けるといったことは、遅かれ早かれフィールドを平準化することにつながると私は確信しているよ」 文章导航 警報レベルの悪天候に見舞われるイモラ。F1エミリア・ロマーニャGPにも影響必至? 【アルピーヌF1】インフラ整備費用はバジェットキャップから除外すべきだとチーム代表