(Mark Sutton / Motorsport Images)(Mark Sutton / Motorsport Images)

 スクーデリア・フェラーリは、2023年シーズンに予選でレッドブル・レーシングに挑むことができるのは、ライバルが1周のパフォーマンスを「諦めた」からだと分析している。

 今のところ、レッドブル以外のドライバーでポールポジションを獲得しているのは、フェラーリのシャルル・ルクレールのみ。アゼルバイジャンGPでは、スプリント用の予選と決勝用の予選両方でルクレールがトップに立っている。

 また、開幕戦バーレーンGPではパワーユニットにトラブルが発生するまでは、トップから0.292秒差に接近。第2戦サウジアラビアGPでは、決勝でグリッド降格ペナルティを受けることとなったものの、ポールに0.155秒差に迫っていた。

 しかし、表彰台獲得はルクレールがアゼルバイジャンGPで獲得した1回のみ……フェラーリの上位入賞ドライバーは、開幕から5レース平均でレースウィナーから30.85秒差でのフィニッシュとなっていた。

 フェラーリのドライバーコーチであるジョック・クレアは、レッドブルがレースペースを最大化するために予選でのパフォーマンスを犠牲にしていると語っている。

 予選と比較して、フェラーリのレースペースが低いことについて、クレアは次のように語っている。

「我々はどこに問題があるのか、よく理解している。それを数値化しているのだ」

「ある意味、我々は『予選とレースで何が起きているのか』ということだ。いくつかの違いを見ることができる」

「ただ、その違いがどのような結果になるのかは、まだ見えていない。そこが我々が進めているプロセスで、レースペースを取り戻すために何ができるか、あるいは我々の焦点をどうシフトできるのかを特定しようとしていた」

 またクレアは、レッドブルに倣ってフェラーリも1周のパフォーマンスを犠牲にしてレースでのパフォーマンスを引き出す必要があるのかもしれないと考えている。

「予選でダメージを受けるべきなのか? レースは予選順位に左右されることが多いから、それを受け入れるのはかなり難しいんだ」

「予選を完全に無視する訳にはいかない。ただ、レースでどうすればペースを上げられるのかを充分に理解する必要がある」

「その点レッドブルはとても賢いことをやっていると思う。あのマシンは、レースペースでとても、とても上手く機能している」

「そのため、我々も彼らと同様に予選ペースを諦めた方が良いという結論にもなる」

「彼らと予選で競い合えるのは、彼らが予選で最適な状態ではないからだ」

 そして、フェラーリがレッドブルに対して後れを取っているのはどのエリアかとクレアに尋ねると、彼はこう答えた。

「彼らは、特にDRSがオープンの時、ストレートがとても速い」

「そこも、空気抵抗を削るために我々が何を改善できるのか、分析する必要がある。簡単にタイムを上げられるからね」

「ドライバーはコーナー間を速く移動するために、あまり技術を駆使する必要がない。その点、彼らはとても速かったと思う」

Matt Kew

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