NBA歴代9位となる2万8289得点、19シーズンのキャリアに幕(バスケット・カウント)NBA歴代9位となる2万8289得点、19シーズンのキャリアに幕(バスケット・カウント)

現地5月22日、カーメロ・アンソニーが現役引退を表明した。

1984年生まれのカーメロは、2003年のNBAドラフト全体3位でナゲッツの指名を受けた。ルーキーイヤーから平均21.0得点と主力として活躍し、ナゲッツで7シーズン半、ニックスで6シーズン半を過ごす。ニックスのエースだった2012-13シーズンには28.7得点でNBA得点王となった。現役19シーズンでオールスター10回選出、通算得点2万8289はNBAの歴代9位となる数字だ。

ニックスは人気はあっても勝てない時期の長いチームだが、カーメロが得点王になった2012-13シーズンは近年で最高の成績となる54勝を挙げ、強豪相手に互角以上に渡り合った。トップ選手であるカーメロがニックスを選んだこと、マディソン・スクエア・ガーデンを過去最高に盛り上げたこと。そして彼が決めた鮮やかなシュートの数々と、3本の指を頭に当てるポーズ──。

ニックスのファンはこの興奮と感動を忘れていない。今シーズンのプレーオフでカーメロがマディソン・スクエア・ガーデンを訪れた際、彼の姿がモニターに映し出されると、人々はスタンディングオベーションで彼を歓迎している。

またアメリカ代表として4度のオリンピックに出場し、若手だった頃に参加した2004年のアテネ大会では3位と屈辱の結果に終わったものの、続く北京大会では『リディームチーム』の一員として金メダルを獲得し、ロンドン、リオと3大会連続での優勝を果たした。

そんなカーメロも、現役生活の晩年は恵まれていたとは言い難い。2017年オフにニックスを離れた後は、サンダー、ロケッツ、トレイルブレイザーズ、レイカーズを渡り歩き、得点能力こそ発揮したもののそれ以外の部分で評価をされず、定着には至らなかった。それでもブレイザーズでの2年目はベンチからの出場を受け入れ、セカンドユニットの得点源という新境地を開拓している。昨年オフにレイカーズとの契約が満了となり、キャリア20年目となる今シーズンもプレーする意欲を持っていたが、38歳となった彼を必要としてオファーを出すチームは現れなかった。

ここに至ってカーメロは現役引退を決断。メッセージビデオを作り、自らのSNSで発表した。

「何も持っていなかった頃を思い出す。コートにボールがあるだけで、あとは何かを成し遂げたいという夢があった」と、メッセージビデオでカーメロは人々に語り掛ける。

「バスケットボールがそれを出す場だった。僕の目的は強く、僕のコミュニティ、僕が誇りを持って代表した都市、僕を支えてくれたファンがいた。僕は永遠に感謝する。彼らとその場所が僕をカーメロ・アンソニーにしてくれたからだ」

「でも今、僕を有名にしたコートに、目的と誇りを与えてくれた競技にさよならを言う時が来た。NBAへの苦く甘い別れとともに、僕は未来が自分にもたらすものにワクワクしている。僕のレガシーとは何かと質問されて思い浮かべるのは、コート上での偉業や賞ではない。僕のストーリーは常にバスケ以上のものだったから。僕のレガシーは息子だ。僕は君を通じて永遠に続く。このトーチを君が引き継ぐ時が来た。だから夢を追い求めてくれ。僕のレガシーは、君を通じて生き続ける。ピース」

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