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 WWEの〝キング・オブ・ストロングスタイル〟中邑真輔(43)が、ロウ移籍後初勝利を飾った。

 ブランド間の選手移動「WWEドラフト」により、スマックダウン(SD)からロウ所属に。移籍後初試合となった先週のロウでは、新設の世界ヘビー級王座決定トーナメント1回戦でセス・ロリンズ、ダミアン・プリーストとトリプルスレットマッチを戦ったが、惜しくも敗退。今週のロウ(ノースカロライナ州グリーンズボロ)では、〝チン問答〟を繰り広げてきたザ・ミズと一騎打ちした。

 元WWE王者で試合巧者のミズはいきなり握手を求めてきたが、中邑はミズの右手を蹴り飛ばして拒否し「カモーン!」と挑発した。さらに得意の打撃からシングルドロップキック、ニードロップ、けいれん式ストンピングと攻め込む。反撃にもペースを奪われずエプロンのミズに強烈なヒザ爆弾を落とした。

 アームバーは切り返されDDTで叩きつけられたが、ミズのスカルクラッシングフィナーレ(フルネルソン式顔面砕き)だけは許さず、スライディングジャーマンで逆転した。すかさずキンシャサ弾を狙ったものの、ミズはリングに張られた幕を引っ張り上げ、レフェリーの注意をそらした。この隙に、卑劣な目つぶし。不意をつかれた中邑はスカルクラッシングフィナーレを浴びてしまった。ミズはフォールにいくが、中邑は何とかロープに足をかけて3カウントを阻止。突っ込んできたミズを丸め込むと、最後はカウンターのキンシャサを放って3カウントを奪った。

 歓喜の中邑はコーナーに上がり、ロウ移籍後初勝利をアピール。試合後のインタビューでは「俺は止まりたくない」などと話し始めた時だ。闇落ち軍「ザ・ジャッジメント・デイ」のフィン・ベイラーとプリーストが現れた。プリーストは先週に世界王座決定トーナメント1回戦のトリプルスレット戦で中邑と対戦したが、中邑がロリンズにフォールを奪われたことで「このバカのせいで世界王座を奪われたんだ」と非難してきた。

 中邑はこれに全くひるまず「そのことで泣くのかい? バッド・バニーに負けた後、どうやって泣いたんだ?」と、両手でウサギの耳をつくって挑発。プリーストは6日のPLE「バックラッシュ」で世界的人気ラッパーのバッド・バニーとシングル対決し、屈辱のフォール負けを喫した。これをあざ笑ったのだ。

 怒ったプリーストが「今すぐ泣かせてやろうか」と突っかかってきたが、新日本プロレス時代から中邑のライバルだったベイラーが割って入り盟友をなだめた。その上で「来週はこのバカを相手にしよう」と言い、中邑に「サヨナラ」と日本語で告げて去っていった。

 果たして次回ロウから、WWEマットを席巻する極悪ユニットと中邑の抗争が始まるのか? 注目だ。

初山潤一


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